今回はシナリオクラフトをセッションで利用したケースと、シナリオの概要をプレイ前に知らせることに関するものです。論考というよりちょっと「こんなことを思った」程度です。
この前、オンセでアリアンロッドをしたときに、ダブルクロスのシナリオクラフトを流用した遊び方を体験しました。
・通常のセッションよりもストーリー性が強くなったような気がした。
 ある程度、先を読んで行動するのですが、本筋から離れないようにこじつけようとする意識が働いて、よりストーリー性が強くなったような気がしました。
・アドリブの要素が強く、それも楽しかった。
 こじつけもそうですが、ストーリーの中での行動とか、このシチュエーションだからこその行動とか、そういうのが制限でもあり通常のセッションではあまりない楽しみでしょう。
 
シナリオがどうなるかはGMも予想できないことで、GMが行う苦労をPLも分け合って楽しみに変えていけるという、新しい楽しみ方だなぁと思います。こういうタイプの進行をデフォルトにしたTRPGもありなんじゃないかな?(もしや、もうすでにあるなら教えてください)
 
もうひとつは、ダブルクロスのキャンペーン2回目に参加したときのことです。GMが用意した公式シナリオの概要部分、それをプレイヤーに読んできかせたのです。セッション終了後に、あるプレイヤーからこんな質問が。
「最初に読んだ部分、GMだけが読めばいいんじゃない?」
うん、まぁそうかもしれないなとも思った。でも、それを公開されたことでスムーズに進行したと思うんです。
以前、オープンシナリオなんてどうかな?と書いたのですが、こういう「ゴールが決まっている」というのは、コンピュータRPGのような感じでもありますね。オンラインゲームで、ミッションとかクエストとかいう、ある特定の条件のゲームが開始され、そのゴール条件も知らされるというものです。
ゲームとしての楽しみかたはいろいろだと思いますが、こういう「ストーリーをオープンにして、ゴール条件もわかる」というほうが難易度は低いでしょう。難易度が低いというのは、シナリオ崩壊が起きにくいということです。
そして、難易度が低いならそれなりに、熟練者はより密度の濃いストーリーになるように[手段」や「行動」を吟味する楽しみがあるというものです。
 
いや、やはりネタバレなしでやるのが楽しいんだ!という人もいるでしょう。それは否定しません。でも、先が見えない中で一発勝負で、良いストーリーになるようなセッションをするのはなかなか難しいですよね。それに運も作用するし。同じシナリオを何度も楽しむというのが抵抗ない人なら、こういう楽しみ方もアリでしょう。
 
シナリオクラフトの公開と、ゴールをあらかじめ決めておいてそれを目標とするというプレイスタイル、これはRPGRPGらしい部分、キャラクターに依存するとかプレイヤーのメタ視点とか、そういうものも含めて楽しみが深くなる可能性が秘められているかなと思った次第です。