ゲーム寄りのシナリオとストーリー寄りのシナリオ

野球でいい試合というと、「燃えるシチュエーション」「手に汗握る」というもの。
それは、
『お互いに1人のランナーも出さない投手戦。しかしついに9回裏、初めのフォアボール。ランナーが出てしまった。送りバントで、1アウト2塁。』とか、『9回裏、6対3。2アウト満塁。』といった、試合結果を左右するシーンのこと。TRPGでは、『ダンジョン最深部。MPが残り少なく、回復魔法があと1回分。ラストの戦闘』とか、『黒騎士の隙をついてシーフが姫様を救出、「しまった!」と慌てる黒騎士に戦士がトドメの一太刀を!』といったシーンのことでしょう。
 
ゲーム寄りのシナリオは、
『細かな設定をあまりせずに、ゲームバランスの調整をする』
『100回、1000回プレイすれば、何回かは「9回裏、6対3。2アウト満塁。」というシーンになるかもしれない。(これが「筋書きのないドラマ」)』
『プレイヤーは好きなように試合ができ、負けることも多い』

ストーリー寄りのシナリオは、
『あまり有りえないような偶然や奇跡的なことが起きたことにする』
『プレイは常に「9回裏、6対3。2アウト満塁。」となるように調整される。』
『プレイヤーは行動が制限されたり、行動の結果が芳しくなくなるように調整されたりし、それらの調整がまずいと「自由でない」と感じることもある』

TRPGの場合は折衷で、好みによって、「ややゲーム寄り」か「ややストーリー寄り」になる。