ゲームの難易度、手応え、満足度

シャドウハンターズというボードゲームについて。
このゲームは、「シャドウ」と「ハンター」と「一般人」の参加する戦いです。カードによってキャラクターを選択します。キャラクターは、シャドウかハンターか一般人のどれかに属しています。
シャドウとハンターは対立しています。お互いに相手側を全滅させるのが勝利条件です。一般人は、キャラクターごとに違った勝利条件になっています。
ゲーム開始時には、参加者全員がお互いに「誰がシャドウなのか」「ハンターなのか」「一般人なのか」わからないでいます。正体を探るのに役に立つカードがあり、それの効果を誰か一人に適用すると、「少なくとも一般人ではない」「少なくともシャドウではない」というように僅かに手がかりが得られます。他に、戦いを有利にする「アイテム」カードがあります。
さて、ここまで説明して、RPGやトレーディングカードゲームを連想した人は多いでしょう。
ですが、これはいずれでもありません。
ゲームは、サイコロを振って、その結果に従って進みます。
①まず、どの場所に行くか、サイコロを振って決めます。場所によって取得できるカードが違います。
②次に、カードの効果を利用するか、攻撃を行います。攻撃できる相手は①で選択した場所にいるキャラクターです。
ここで注目すべきは、次の通り。
①どのカードを取得できるかは、サイコロが握っている。
②どのキャラクターに攻撃できるかは、サイコロが握っている。
③ダメージや効果の有無は、サイコロが握っている。
つまり、ゲームの進行の大半がサイコロで決められ、プレイヤーが思考し選択する要素がとても少ないのです。とても大掛かりなことをやっていますが、プレイヤーのやることは「サイコロを振って、結果を解決する」という作業がほとんどです。
最初、誰を攻撃すべきか悩みますが、カードの効果で正体をばらさずにはいられなくなるという仕掛けになっています。つまり、推理で相手の正体を暴く必要も無いのです。カードがそのうちに正体を暴いてくれるのですから。
サイコロを振って、順番に進めていけばいいので、初心者にも簡単にゲームを楽しめます。
しかし、、、、、
しかし、、、
しかーーーし!
手応えのなさが、つまらないゲームと感じました。
PSOエピソードⅢに感じた「手応えのなさ」と同じものを、シャドウハンターズがもっていたのです。
せっかく正体を隠すという要素があるのに、相手を探るためのカードを手に入れるかどうかがサイコロ運次第、なおかつカードの効果にも、正体の推理が無駄になるようなものがいくつもあります。最悪、プレイヤーはダイスピッチャーとなって、結果を見守るだけになってしまうこともあるのです。


ちょっとゲームの分類をしてみました。


一般人、初心者向け

  • 勝負の手順が少ない
  • 選択が少なく、悩まない
  • 運の要素が実力よりも大きい
  • 派手な効果で一喜一憂する(バツゲーム、金銭を賭ける)
  • 他人の妨害をする要素は少なく

トランプ(ばばぬき、ポーカー、7ならべ)、UNO、人生ゲーム、パチンコ、パチスロ、ゴルフ、ボーリング、ドラクエ、FF、どうぶつの森



ゲーマー向け

  • 勝負の手順、段階があり、何度も逆転の可能性がある
  • 選択が豊富で、悩み、考える
  • 運の要素が少ない、もしくは何度もプレイすることでゲームがうまくなり、運よりも実力が反映される
  • 勝負の結果のみが楽しみではなく、回想戦で相手の選択の妙や心理を共感し、たたえる
  • 基本的に妨害はリスクであり、自分の手を進めるか・妨害をするかのジレンマに陥る

操り人形、アクワイア、クルー、BANG!、プエルトリコスコットランドヤード、ナイアガラ、TRPG、GTA


どちらが優れているとかじゃなくて、ただ、ゲームのルールを深く考慮し、巧くなれば、もっと手応えのある「より複雑なルール」「より高度な計算」といったものを含んだゲームを求めていくのではないでしょうか。
我々もトランプでばばぬきや、UNOを楽しんでいました。今もたまにやると楽しいですが、やはり少ない休日をばばぬきで過ごすよりも、ドイツゲーム大賞のボードゲームで頭を使うほうがゲーム界に参加しているという気がします。
残念ながらシャドウハンターズは、初心者・一般人向けのゲームです。海外製のボードゲームに慣れ親しんだ人には、物足りないと思います。この先、シャドウハンターズよりももうちょっと高度なゲームを、せめて運まかせではないものを出してほしいですね。