子供の想像力にはタネが要る

現代の子どもが考える「未来の街」は、大人より現実的だった
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現代の子どもが考える「未来の街」は、大人より現実的だった | オモコロ

銀色でピッタピタの服、半球形の家、透明なチューブの中を飛び回る車……。
現代は、僕たち大人が幼い子供の頃に想像していた「未来の街」とはずいぶん違った街になりました。

その未来予想図は、私も見たことがあります。アラフォーならそういうイラストを見たことがありますよね。あと、マンガやアニメでもそういう表現が多かったと思います。
そして、それは大人がイラストや漫画に描いたものに影響された「未来予想図」なわけです。
当時の子どもたちが想像したものが流布して共有されたというものではないのです。


ところで、今回のカメントツさんがしていることは「子どもたちから未来予想図を引き出そう」なのですが、子どもたちはあまり大したものを提供できなかった。
その理由は、現代において未来予想図が大人から提供されていないからでしょう。
漫画やアニメで未来を熱かった作品がほとんどないのです。未来といっても退廃した近未来サイバーパンクや宇宙を舞台にしたものは子供向けには提供されていません。


子供向けの漫画はキャラクタービジネスの延長で子供向けにアレンジされたものか、カードバトル等のコレクション、魔法少女やアイドルの装身具を模したグッズの宣伝ばかりです。
レーティングや市場のゾーニングの徹底が行き過ぎて、未来とかファンタジーとかに触れる機会が損なわれている可能性もあります。
(もしかすると、街を描いてくれと言ったから大したものが出てこなかった可能性も。未来の人たち、というテーマなら、カードで変身する人や、魔法少女のように変身する人が描かれたかもしれませんね)


人間の想像力というのは、元になるタネが必要です。エヴァしかしらない人はエヴァに似た作品しか作れません。たくさんの作品に触れ、様々な表現を知ることでそのどれかから組み合わせた新しいものを思いつくわけです。もちろん、作品の合成だけではなく、自然から得たものを含めれば全くのオリジナルに近づくのですが。


子どもたちに未来を見せるのも必要ですが、過去からも未来へ流用できるものがたくさんあるはずです。そこに新しいテクノロジーを組み合わせるだけで未来になります。子どもたちに知識を、幅広い知識を持ってもらいたいものですね。