オープンシナリオ&セッションのアイデア

シナリオはたとえば「ある村で行方不明者が続出。モンスターか、犯罪者か、調査してほしい」というのを例に。
 

シーン1 村人の依頼

シナリオ

状況:旅人の多い町。PCたちは一緒に宿をとっている。
目標:村人の依頼を受ける。PCは納得する理由をみつけること。
制限:ひとまず、15分程度で切り上げる。

セッション

GM:街にいます。近くの村人がやってきて、君たち冒険者に依頼をしました。
GM:目標は「村人の依頼を受けること」です。どのようにして依頼を受けることにしたのか、PCが納得する理由を提示してください。
プレイヤーA:自分の生まれの村に近いので心配。事件を放って置けないと思った。
プレイヤーB:賞金付き犯罪者の手配書を発見。それが関連するかもと期待。
プレイヤーC:考え中。
プレイヤーD:プリーストとしては、信仰を広めるチャンス。
GM:Cさん、思い浮かばないなら無理にいいよ。
プレイヤーC:うん、ギブアップ。
GM:了解。
 〜略〜
GM:こうしてキミたちは依頼を受けた。では、次のシーンに行こう。
 
 

シーン2 事件の現場

シナリオ

状況:田舎の農村。古い遺跡が近くにある。
目標:事件の手がかりを見つける。手がかりは4つ。
   知力15、感知15、幸運20、筋力18
制限:とくになし。
 

セッション

GM:村に着きました。田舎の農村です。近くに古い遺跡があるという話を聞きました。
GM:この村で調査してください。目標は「事件の手がかりを見つける」ことです。
GM:知力15、感知15、幸運20、筋力18。この4つの判定のうちどれでもチャレンジしてください。
プレイヤーA:俺は筋力なら自身があるぞ。
プレイヤーC:魔法を使って「知力15」に挑戦してもいい?
GM:魔法OKです。ボーナスは(略)


(ちなみに、知力判定のは、書物を見せてもらって手がかりを発見した、感知は現場をよく調べて足跡を発見、幸運は酒場でギャンブルに勝って情報を得た、筋力は裏山を調べているうちに怪しい連中にからまれるがケンカで勝った。という感じで事件の手がかりが入手できる)


GM:こうしてキミたちは事件の犯人は遺跡にいるという意見で一致した。
 

シーン3 遺跡

シナリオ

状況:古い神殿の遺跡。遺跡で行方不明者の持ち物を発見。邪神の信者がそこに。行方不明者は生贄。
目標:邪神信者を倒す。
制限:邪神信者は負けそうになると自分自身を生贄にして邪神の落とし子を召喚する。
 

セッション

戦闘です。これはいつもと同じなので省略。
 
解説します。
シーン1については、まず、依頼を受けることが確定しています。その依頼を受ける理由を考えてもらうことで、ロールプレイに代えさせていただきます。また、ネタが思いつかない場合は出番なしでもいいと思う。
 
シーン2は、情報収集について。シティアドベンチャーの失敗しやすさを回避したいのです。小説やマンガ・アニメなら、登場人物は得意分野を利用して情報を集めることができたというシーンを演出されるでしょう。情報収集に失敗してシナリオが頓挫するのを防ぎます。
異論あると思いますが、TRPGはスポーツ的に進める時代ではなくなったと考えるからです。100回そのシナリオをやれば、ドラマチックな展開になることもあるかもしれません。しかし、プレイ回数は少なく、同じシナリオを繰り返しプレイすることも稀なものです。であれば、冒険が失敗しないことを最低ラインとして、物語として面白くなるかどうかに注力したほうがいいと思った次第です。
 
シーン3は特にないです。ただ、敵の全貌がすぐにわかること、信者が生贄になって、ラスボス登場することがプレイヤーたちに知られてゲーム進行するという点が違いますね。
ゲームとして、勝負はガチでやりたいですよね。でも、パーティが全滅なんて、後味悪いだけです。それを回避し、シナリオのクライマックスを意識して全力で戦ってほしいわけです。


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