『青いガーネット』についての考察 「憂鬱なできもの」

日本では「青いガーネット」もしくは「青い紅玉」と翻訳されていることが多いですが、この原題『The Adventure of the Blue Carbuncle』について、私なりの新解釈です。
「Blue」は、『青い ○○』という、色の意味で使うのでなく、「憂鬱な」という意味であると思います。
「Carbuncle」は、宝石の種類ではないと思います。カーバンクルといえば、ある程度の年齢のゲーマーならすぐに「宝石が額について幻獣」を思い出すでしょう。そして、「カーバンクル」には、「できもの」という意味もあります。身体に「いぼ」のようなものができてしまうことを指す言葉です。
さて、シャーロックホームズの冒険「The Adventure of the Blue Carbuncle」は、どういった話だったか思い出してください。クリスマスに食べるガチョウに宝石を食べさせてしまった、というものです。そう、ガチョウに宝石の「憂鬱な、できもの」ができてしまった、という皮肉を含めたシャレだったのです。
件の宝石自体が「Blue Carbuncle」と呼ばれていたことも、そのいわれをたどれば「青いできもの」に関わる出来事があったに違いないと想像します。