シナリオに何を書いておけばいいか?どう書けばいいか?

前回→
どういうシナリオを作るか、ということを書いたのですが、今回は、シナリオってどんなことを書いておけばいいか?です。
 
初めてシナリオを書く人は、「書けることはなんでも書いておくべき」と思います。出来事の順序、NPCのセリフ、店での買い物データ、戦闘用のデータ、地図、その他いろいろ書くものです。しかし、それらを全部書く人もいれば、一部しか書かない人もいます。プレイスタイルが人によって違うこともありますが、書いておくべきことには「優先順位」があるということです。これさえあれば、もしくはこれだけは最低限必要とか、何度もマスターを経験するうちに、その優先順位が自分の中で決まってゆくでしょう。
 
さて、シナリオに書くことは何か?
TRPGを進行するにあたって、必要なことは何か?というのと同じ意味になるかもしれません。

  • 今はどんな状況なのか?・・・プレイヤーに伝えるべきことですね。
  • 今からどんなことが起きるのか?・・・自分が知っておくことですね。
  • PCたちが行動したらどうなるのか?・・・自分が知っておくことで、なおかつこれが起きないかもしれない、という条件つきのものです。

これらを書く上で、注意したいことがあります。
物事は、原因があり、現状があり、結果があるのです。
  原因→現状→結果
というつながりがあります。結果がまた新たな出来事の原因となるので、さらにつながっていきます。そのつながりが、ストーリーとなります。ストーリーが出来上がる予想図が、シナリオです。これらのつながりの予想を書いておくのがシナリオというわけです。
ところが、シナリオの通りにはいかないことがあります。ときには用意していないようなことばかりになることもあります。このつながりに注意です。
シナリオの通りにいかないのは、何故でしょうか?プレイヤーは何を元に行動しようとしているか、それを考えればわかるでしょう。
 
基本的な日常行動をとろうとする→事件から離れてしまう
こういう場合は、日常の情報が多すぎるか、あるいは日常から離れるような興味をひくような情報が足りないということです。コンピュータゲームのアドベンチャーで詰まったときはありますか?そういうときは、「片っ端からコマンドを実行」したりしませんか?TRPGでは、「それはできません」とか「そのアイテムはここでは使えない」とかいうことはありません。そのため、やることがわからなくなったPCはPCの役割の日常生活の行動を開始してしまうのです。(プレイヤー心境としては、「早く事件が起きないかな」と期待して時間を進めてみているというところですが・・・)
そこで、シナリオには、『PCが興味を引きそうなことを使って誘導する』ように記述しておくのです。行動には理由が必要です。その理由に値するようなことを用意しておきましょう。理由(原因)→行動(結果)となるのです。
 
シナリオの重要な人物を殺してしまう(重要なアイテムを捨ててしまう)→間違った行動をとって、取り返しのつかない状況になる
この場合は、情報の与え方が間違っていた(伝えかた・説明が悪い)ということでしょう。TRPGは、言葉で説明します。絵を描く人もたまにいますが、多くは言葉で伝えますね。すべて言葉で伝えるのは、とても難しいものです。難しいけれど、丁寧に伝える努力をすれば、ゲームの状況を説明するぐらいはできるものです。「こう言ったら相手はどう思うか」「この表現で理解してもらえるか」「勘違いしそうな表現はないか」じっくり確認しながらシナリオに記述しておいてください。
人は、どんなときにどんな反応をするものか。人はどんなことを考えて行動するのか。人の行動や気持ちを考えながらシナリオに追記してゆくと、予想図としてのシナリオはよいものになってゆくでしょう。