ゲームで頭はよくならない?使い方次第だよ、ワトソン君。

人生のマンチキンにはなるめぇ

TRPHの研鑽で身についた知識や判断力が実社会でも役に立つなどと嘯くゲーマーは数多くいましたけど、そんなに状況判断なり発想なりが優れていたら、実社会でももうちょっとは社会的身分があったり、楽して設けてたりしています。
RPGコラム 『うがつもの』: 嘆きの碩学世代

「頭がいい」とは、楽して儲けたり、社会的身分が高くなること、を指すのでしょうか?否!
楽して儲ける人はそもそもいない。社会的身分が高くなるには、まず、向上心と自尊心が必要。
貧しくとも頭の良い人はいるし、かえって苦労するような仕事に人生を捧げたりするものでしょう。

メタだけで勝てるとでも?!

昨今のTRPGゲーマーの判断力や発想の低下は、メタ知識の不足も原因の1つでしょう。自分のキャラクターがどれだけのことができるのかという判断材料が不足しているのに反して、ゲームの世界観はどんどん大風呂敷になっていくから、PCとPLとの乖離がどんどん拡大する。

これには同感です。ネットの一般化により、昔よりも情報を仕入れやすくなってはいるはずです。でも情報が入ってこないのは、TRPGが流行っていないからでしょう。バーチャファイターが流行っていた当時は、どんな攻めが的確か、どんな返し技が的確か、そういった情報がもてはやされました。マジックが流行ったときも、流行デッキは何か、時期大会ルールで制限になるカードは何か、といった感じでした。

戦略という誤解

ゲームでは、戦略さえ押さえればあとはパターンの戦術をミスらなければ勝ちだ、とでもいうような傾向が広まってしまっていると思います。
対戦格闘で、まるでCOM戦のように同じパターンの連続技しか使わない人。マジックで流行のデッキで地方の小さな大会を荒らしてイキガル人。ソードワールドRPGで、「グラスランナーは役に立たない」とか「ドワーフでプリーストが最強」とかいう人。
違うと思いますよ、楽しむところが。
ホットドッグ早食い大会で、フードファイターはパンと具を分けて食べるという戦略を見つけ、実践し、優勝しています。しかし、彼が食べたのはホットドッグではない。
戦略を駆使するゲームは、シミュレーションゲームです。そしてそれを突き詰めていけば、あとはパターンの作業的な繰り返し処理だけです。だれがやっても同じになります。
そんなものを求めているのじゃない。

何のために生きるのか

人は皆、楽に儲けるために生きているのではない。人は皆、社会的地位を上げるために生きているのではない。
RPGはレベルを上げるためにプレイするのではない。RPGでは、何かに勝つためだけの行動をするわけではない。

知識・知恵は使い方次第

ゲームマスターをするのに、社会や理科、国語の資料集などはとても参考になる情報があり、それを学習することで成績にも僅かながらプラスになったはずです。人が人を傷つけることが、どんな悲劇を招くのか、人の心の痛みとは、そういった精神面での経験は、普通の人生の何倍も多く得られているはずです。さて、それらを得たところで、使い方はその人次第です。50億円を手に入れたら社長になれるのでしょうか?ギャンブルでそれを使っちゃえば、何も残らない、変らないということになります。そう、使い方は自由なのです。