「コナン・ドイル殺人事件」ロジャー ギャリック‐スティール

念のために言うと、「ドイルが殺された事件」ではなく、「ドイルが殺したのでは?」という疑惑の推論だからね。このタイトル、悪いよなぁ。


内容も酷いもので、「ドイルの名作、『バスカヴィル家の犬』は盗作である」ということと、「それにともないその本来の作家を殺害した」ということを告発するノンフィクションだそうだw


ノンフィクションという割りに幽霊話から始まる。ついてはオカルトのノリのままドイルと本来の作家とされるロビンソンの周辺の出来事を書いているのだが、肝心な部分については後にならないと出てこない。それまでは、このロジャーの考えたオカルト小説を読まされるわけだ(それもとてもつまらない)。読むべきところは、本の4分の1しかない!
ドイルが殺害したという点も疑問だらけ。殺人の手法については簡潔すぎる。証拠についてはほとんど語らず。そして、事件にともなうドイルやその遺族とのやりとりをダイジェストで書かれ、最後にドイルの人格における犯罪性を「血液型別性格分析」程度の方法での推論が展開される。ドイルは過去にこんなことをやらかしていた。だから今回もこういうことだろう、というこじつけ。


どうなんだ?告発ならもっときちんと読みやすい形があるだろう。ましてやわかりにくい小説の形でオカルトを交えていては。監修となっている島田荘司も変な仕事を引き受けたもんだ。それはともかく、島田荘司が付記で書いている30ページほどの文で、この小説の重要なほとんどを述べられている。ここだけ読んでもOKというくらいだw それだけ、内容がいまいち・微妙・希薄・間延びということ。
翻訳が下手なのか、それとも原文じたいがくどいせいなのか、とても読み進めるのが苦痛だった。
ホームズファンだからというわけでなく、これは酷い本だったよ。

コナン・ドイル殺人事件 (SSKノベルス)

コナン・ドイル殺人事件 (SSKノベルス)


私はホームズ関連の本ならなんでも買う。(三毛猫とか犬とか以外)
でもこれは買わなくてよかったんじゃないか。
なぜこの記事を書いたのか?決まってる、内容をよく知らずにとはいえ、買ってつまんなかったからだ!
金なくて暇で、以前に買って積んでいた本からコレを手に取った。そしたらこんなだったので、勢いで書いてしまったよ。そういうことだ。