No.12 「フタリの記憶」伊織

イベント 『じっくり語り語られてみよう』 に参加し,作品について語っています.作品に対するネガティブな表記を含む部分もありますが,イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.この作品の語り記事一覧 → 『No.12: 「フタリの記憶」 伊織
 
いきなりNo.12からのスタートですが、あとで時間かけてNo.1からのも語っていきたいと思います。
 
※注意! このブログ記事や企画のほかの記事による”批評”を動画コメントでは書かないこと。
 
 
まずは動画を追ってみる。
 
伊織が踊っている後ろに、実写が映るという演出。
夜景。
夜の道を走る。
  落ち着いた雰囲気から、シリアスな話の心構えができる。
町の雑踏。
  せわしない世界。
演出なし
  出会いをあらわす歌詞のみ。歌詞から想像する。
雨の水溜り。
  悲しみ。落ち込んでいる人を見ている様子。
風力発電の風車。
飛び立つ飛行機。
夕日。
ひまわり。
  歌詞は応援の言葉だが、映像イメージは旅立ちのような感じ。
飛ぶ鳥。
オーディション合格、パーフェクトコミュ。
  うれしいこと、楽しいことを、アイマスの中のもので表現。
風力発電の風車。
  余韻。
 
曲と歌詞の力が強いので、自然とストーリーに引き込まれる。
そこに映像をつけるということが、ストーリーにつけたしになるのか、歌詞に出てこない要素を表現するのか、今回は半分ずつのように感じた。
 
ストーリーとしてみるなら、最初の夜のドライブ→雑踏、雨の水溜り、の流れとオーディションやコミュは別の表現になっている。前者はイメージを視聴者に想像させるにまかせる。後者はアイマスのイメージ、伊織を主役としている。
 
ストーリーの主役は誰なのか?
落ち込んでいるのは誰か?歌っているのは伊織だが、歌詞はその落ち込んでいる人を見ている様子。伊織は落ち込んでいる人なのか、観測者なのか。
この動画からはその判別の手がかりは少ない。
「うれしいこと、楽しいこと」の部分がオーディション合格、パーフェクトコミュなので、落ち込んでるのが伊織の可能性がでてくる。
しかし、これはあとからわかることなので、「落ちこんでいる人を誰かがそっと見ているシーン」では、そのどちらともわからないいままだ。
ストーリーは逆順に再定義できない。(回想シーンなどが使われることもあるがそれはまた別の問題をもっている。)
 
風車や飛行機、ひまわりに夕日、こういったものをどう組み合わせるかが難しそう。今回はいくつもの要素が感じられて、歌詞とは離れた印象。
飛行機と鳥は開放感、夕日とひまわりは自然の雄大さと力強さを感じる。歌詞から離れてはいるが、前半の鬱々とした雰囲気から一転することに合わせているようだ。
 
名曲『フタリの記憶』は、泣ける歌詞であるが、この動画では涙が出るまではなく、お洒落なPVとなっている。ストーリー追随ではなく、イメージ重視のPV。