面倒なアドベンチャーパート 情報収集の手順・手法

シナリオのほとんどが人間同士のいざこざである昨今、旧来のシティーアドベンチャーと呼ばれるタイプのプレイに終始しがちです。
この記事では、『どこに行って何をすると、どんなことがわかる(何が手に入る)』、というこの一連のプレイをアドベンチャーパートと呼びます。
このアドベンチャーパートはいくつかの問題をかかえています。
 
★問題とは
・冗長、作業的
ファンタジーであれば、「酒場に行って情報を聞く」「ギルドに行って訊く」「教会に行って〜」「村長に会って〜」という定番行動の宣言でシナリオが進むような場合が多く、事件の核心に関わるまでに時間を要してしまうものです。現代ものが多い最近のシステムでは、酒場やギルドに代わる同様な組織・施設が当てはめられることでしょう。
 
・プレイヤーに依存
例えば情報収集でも、プレイヤーが考えなくてはならず、プレイヤーの情報収集能力に依存してしまうのです。
推理小説が好きな人は、様々な推理法・情報のありかを想像できるでしょうが、一般的には先に挙げた定番行動になるでしょう。
 
・ハマリ
プレイヤーに依存するので、ちょっと変わったところに情報がある場合、その場所を思いつかないならゲームは進まなくなってしまいます。コンピュータゲームでよくあることですね。
 
・システムのサポート
戦闘のルール以外は、プレイヤー次第というのが多く、システムがアドベンチャーパートの進行をサポートすることはほとんどありません。そのため、TRPG雑誌の記事やリプレイにおける「情報収集のパターン」を、それらの共通性から導き出して行うしかなかったのです。
 
関連:このような問題があり、TRPGは「遊び方が分かりにくい」「どのシステムをやっても同じようなプレイになる」ということが起きているのではないでしょうか。
 
★アドベンチャーパートのゲーム性
シナリオにはストーリーの方向性を決定付ける要素をいくつも決めてあります。
今回はドラゴンが登場して、戦闘するシナリオだ。となれば、予定のない邪神復活も麻薬密輸も、このシナリオでは登場させないということになります。シナリオとはそういうものです。
さて、手探りでアドベンチャーパートを進めるプレイヤーには、シナリオがどうなっているかを想像して行動していくということがあります。
酒場で「となり村がモンスターに襲われた」と聞いたら、「ああ、今回はとなり村が舞台になりそうだな」と次はとなり村に関する情報を探すわけです。こうした連想を利用してシナリオを進めていくのがアドベンチャーパートのゲーム的楽しみです。
しかし、アドベンチャーパートの面白みを出すには、かなりの苦労・才能が必要になるのではないでしょうか?
うまく作らないと、定番行動だけで進んでしまうので、ゲーム性が薄くなってしまいます。
 
ゲームブックに始まり、サウンドノベル、ギャルゲーのノベルゲーム、古くからのアドベンチャーゲームもこうして進化してきました。TRPGのアドベンチャーパートも、何か、システム側でサポートして、進化してもいい頃ではないでしょうか。


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