いいシナリオとは? TRPGの面白さは、シチュエーションにかかっている!

『今週末、みんな集まるからTRPGやろうぜ』ってことになったら、どうする?
あと2日しかない。そう、それでどうやってシナリオを作るか、ということも含めて、「いいシナリオとは?」という話を。


今回は何がいい?戦闘のあるゲームにするかい?じゃあ、ファンタジーで戦闘のあるゲームにするね。
まず、TRPGのどんなことが面白かったか、そのときのことを思い出してください。
どんなことが起きましたか?・・・魔法の暴発?クリティカルヒット?逆にファンブル
それは、誰がどんな行動をしたからでしょうか?
それは、なぜそんなことをしたのでしょう。
いろいろ思い出すといいです。できれば、今度参加するメンバーがいたときのこと、どんなことがあったでしょうか。
さて、準備運動はOK。TRPGってどんなものか思い出せましたか?そんなの知ってるって?いや、笑い事じゃない!冗談ではなくTRPGってどんなものか、言葉で説明するよりも、思い出すほうが早いですから。そして、それぞれのプレイ環境ごとの味があるのですから。その雰囲気を思い出して、エネルギーに換えましょう!


次は、シナリオを書くためのきっかけを作りましょう。なんでも書ける無地の(できれば枠線もない)テキトーな紙を用意しましょう。ごちゃごちゃとたくさん書くことになります。
では、さっき思い出したゲームの場面を再現できるようなシナリオをテキトーに書いてみてください。
書けました?
自分がマスターをやったのでない限り、詳しくなんて覚えちゃいないものです。テキトーに書けたら、その内容を分析していってください。そして、その分析をシナリオのわきに書き添えてください。
分析すべきポイントは、次のようなことです。

  • このシーンが楽しかった→楽しかったのはなぜ?

なぜ、楽しかったのでしょう。
盛り上がったから?
かっこよくキメられたから?
思いつく限り書いてみてください。


さあ、いよいよシナリオを書くのですが、その前に・・・。
TRPGの面白さとは、いろいろですが、特に戦闘のあるゲームでは、シチュエーションにあると思います。つり橋の上での対決とか、暴走する列車の上で列車衝突前に敵を倒してにげなきゃならないとか、賞金を棒に振っても助けるために戦いに参加することを選んだとか、いろいろと条件のついたシチュエーションで戦闘をすると盛り上がります。
さあさあ、シナリオを書くにあたって、このシチュエーションで戦うとかっこいい!燃える!というのを前提に書いていきましょう。


そのシチュエーションに至るには、どんなシナリオがいいでしょうか?
①場所に特徴があるなら、その場所に関わりのあるような出来事を用意します。
例:うち捨てられた廃船の甲板での戦闘なら、海洋冒険もの?じゃあ、港で見つけた地図に記された小島に行くことにしよう。


②誰と(何と)戦うのか?戦う相手に特徴があるなら、その相手のいる場所に関わる出来事を用意します。
例:体が金でできた不思議戦士なら、古代魔術師の遺跡でしょう。
また、その特徴の理由や原因を考えておきましょう。
例:体が金になったのは、不運な事故でこの遺跡に落ち、食料も尽きたときに目に入った薬品を口にしたことが原因。死ぬことはなくなったが、生きているとも言い難いものとなってしまった。


③特別な事情のあるときに戦うことになる、その葛藤が特徴なら、その事情があるのはなぜか?その理由、原因となるできごとを考えます。
例:退役した身とはいえ、戦友のピンチをほおっておけない。行かなくては・・・という場合。何かと引き換えに〜何かを得て何かを失う〜というシーン。では、傭兵として戦争に参加し生死の狭間を漂ったが、やっと結婚資金が手に入った。そして彼女に再会したのもつかの間、悪い知らせを聞く。敵の残党が兵の宿舎を襲撃したそうだ。


④戦闘中に他の行動もしなくてはならないような緊迫のシーンが特徴なら、その行動のもつ意味と、その行動を邪魔する敵の目的を考えます。
例:魔術によって呼び集められた古代生物の霊。その集合体である繭(まゆ)を作り出しているのがクリスタルと魔法陣。これらの解呪を行う。しかし、それを邪魔せんとする暗黒魔術組織。彼らの祖先の悲願である、”次なる種族”への生まれ変わりを、阻止せねば。人間と彼らの種族との戦い。


とまあ、いろいろ考えるのです。戦闘のあるシステムでは、ゲームをしているうちに「いいシーンになる」ようなラッキーやアクシデントが仕掛けられているものです。単純に戦闘をしても結構楽しいシーンに会えます。ですが、もう一歩、思い出に残るようなシーンを呼び込むためにも、こういった『シチュエーションの仕掛け』を用意するといいと思います。