ゴーストハント

原作は、講談社ティーンズハート「悪霊シリーズ」。十二国記で大人気の小野不由美さんですが、本来はこういったホラーがメインなのだと思います。
ゴーストハントはその小説をマンガにしたもの。いなだ詩穂さんにより、なかよしに連載されていました。連載終了後も小説のエピソードを「やや長い間隔を空けながらですが」コミックで発売され続けています。←現在進行形(これ重要)
少女向けなどというものではなく、ホラーの面白さ・怖さをしっかり感じる本格派なのです。

推理するホラー

このマンガは読むときに結構頭を使うと思います。まず、何か怪現象が起きていて、それを調査するよう依頼されます。そして集音マイク、高性能カメラ、サーモグラフィ、暗視カメラ、温度計測、湿度計測、などなど科学に基づいた調査を始めます。そこに、僧侶、巫女、霊媒師、神父、の面々が独自の調査を追加します。手に入る結果から原因を慎重に推理してゆくのです。本来なら簡単にすむはずの調査も、例外が発生したりで謎が増えてゆきます。あるきっかけで事件の本来の姿が垣間見られ、今までと違う角度で調査をします。すると、、、、。
ホラーでありながら推理ものの雰囲気。調査しながらメンバーがいろいろ説明してくれたり、推理の手がかりが読者にも与えられてゆきます。最初のほうの回の原因が後の回の伏線に見えたり。

考える恐怖

ホラー=恐怖とは、わけがわからないものが怖いわけで、しかもそれが自分では手におえないことが判ることが怖いのです。グロテスクや暴力、犯罪等の生理的嫌悪感ではなく、自分が弱者であること、逃げたくなること、そういった恐怖なのです。ホラーとはやはり考えることが多少なりと必要なようです。そう、クトゥルフの呼び声でも、SANチェックの他に知識ロールで理解するかどうかを量りますね。ゴーストハントは、推理させ、それが恐怖を増しているのでしょう。

楽しい仲間

心霊事件の調査なのにどこか同好会のような雰囲気で、彼らの集いが楽しい。ホラーで殺伐としそうな現場でも、ほっと落ち着く場面があります。恐怖シーンとの差がまたいい。人間ていい。仲間っていい。

講談社漫画文庫

KCなかよしでは、第8巻のあとがなかなか出なくて(未だに予定も出ていない)もうだめか?と諦めかけていたので、漫画文庫での再販を知った時はうれしかったです。漫画文庫版では、収録の一部がKC版とは違っています。本編は順に収録ですが、番外編というか小説版にはない話の収録巻が違うのです。表紙が綺麗です。でもちょっと、いなださんの画風が変ったかな?と心配。モンスターメーカーのようには、あそこまでは豹変しないでほしいです。
あ、そういえば『なかよし読みきり傑作選』というのも出ている。そのうち私の好きな卯月まゆこさんの作品とか出てくるといいな。「トマトな毎日」とかも。

ゴーストハント (4)

ゴーストハント (4)

ゴーストハント(8) (講談社コミックスなかよし)

ゴーストハント(8) (講談社コミックスなかよし)