アーカムホラー

1920年代・・・アメリカ・・・東のほうの都市から少し離れたところにあるとされる架空の街『アーカム』・・・そこでは人知れず怪物がうごめき、それらと戦う人々がいた。
アーカムホラーは、TRPGの名作『クトゥルフの呼び声』をもとにしたボードゲームだ。
TRPGでの活動の大部分を要約し、より派手に、より恐ろしく、よりエキサイティングにされたものだ。
☆BUSTER!
すごろくのようなボードの街を動き回り、怪物たちの棲む異世界へのゲートを閉じるのが目的。怪物だらけの街だから、怪物を研究する人たちもたくさんいる。彼らは我々に『狂気に対する共感』を求め、その代わりに役に立つものをくれる。
サーベルにライフル、怪物に効く魔法攻撃の品を携え、街にうろつく怪物どもをなぎ倒す。その姿は、SIRENの須田恭也のように・・・。
☆死して屍、拾ふ者なし
TPRGでも怪物と対峙しようなんて考えることはまれなゲームだが、アーカムホラーのプレイヤーズキャラクターたちは日々怪物と戦っているようなもの。この極端さが、派手でありながら恐怖を楽しませてくれる。怪物を倒し、ゲートをくぐり抜け、やっとの思いでゲートの破壊に成功しても、キャラクターが強くなるわけではない。成長しない、死にやすい、ストーリーもない、それでもこれはRPGだと感じることができる。
☆対戦?
慎重にアイテムを集めてると街の壊滅がすぐにきてしまう(ゲートが6つ出現したらゲームオーバー)。そのため、協力がどうしても必要になる。微妙な能力差を見極め、それぞれに向いたアイテムを譲り合う。このゲームは本来のルールは『ゲートの破壊数を競う』というものだが、そんな競う余裕なんてない。『ゲートがひとつも存在していない状態になったら、点数計算をする』という部分を『ゲートがひとつも存在しない状態になったら勝利』というルールに思えてくる。誰の勝利?いや、我々全員の勝利だ!
☆ホラーはRPGに向いているかも
たとえゲームオーバーになっても楽しい。死が頻繁にあっても、命が軽くなっているわけではない。死が、手抜きなしにくる死が、『死にたくない』という本能を刺激し、なおかつ究極状態での仲間意識が効果的に協力を生み出す。平和ボケした現代は、死が身近でなくなったからこそ、身勝手な者が多くなり命の扱いが軽くなってしまうのではないか。いや、そんな説教くさい話はやめだ。さあ、仲間と一緒に、恐怖の街に、、、、。