シナリオ

シナリオをつくるとき、あらかじめプレイを予定しているメンバーのことを想定して、行動予測をすることがあります。性格というのもありますが、慣れたプレイヤーほど面倒なものはありません。
まず、なかなか事件に関わってくれない。シナリオの導入が一番苦労します。ロールプレイが好きで、いつまでも騒いでいたりします。こういうときは奥の手。もう事件に関わっているところからスタート!

GM:君は薄暗い中で目を覚ます。体がいうことをきかない。それにぐらぐら揺れているような感じ。少し思い出す。魔法をかけられ、捕まったのだ。ここは馬車の中。ロープで縛られている。
ジョニー:いちおう縄抜けを試みる。
サイコロをコロコロ・・・。
ジョニー:いい目ではないが悪い目でもないか。
GM:ゆるんだような気がしない。しばらくすると目が慣れて、暗闇に他にも人がいるのがわかる。
ガナン:そうか。全員一緒ということか。

これで全員一緒に行動開始できます。こういう困難に遭遇したときに、リーダーシップをとれるキャラが誰なのかを確認できるので好都合。ただ、困るのは『とりあえず』ばかりで行動されること。戦略性もなくとりあえずをやられると、サイコロの目が悪かったときに・・・、目も当てられなくなります。とりあえずをやられないためには?情報で誘導。エサでさそって動かすのがいいのです。逆にダメなのは危機を与えること。シナリオ序盤は仲間の協力を目標に動かさねばならず、危機がきたときは、焼け石に水のような行動に走られがちです。

ガナン:人数で押すのは美しくないが、無事に抜け出せたな。
バルシー:さて、みんなは行くあてはあるのですかな?

ここで気を抜くと、町に戻られ、せっかくの序盤が無駄になってしまいます。町に戻らせず、もう一つ事件を起しましょう。

ジョニー:ひょ!山賊ってやつか。
GM:君たちを囲んでから、黒いローブをはおった者が杖を振る。
ガナン:ただの山賊ではないのか!
バルシー:待った、その者に見覚えは?
GM:そうだね、おとといに裏通りで襲ってきた奴も同じようなローブだった。

敵を倒すが、魔法使いではなく、ただの山賊が魔法の品で魔法使いを演じていたのだ。なんてことだったら、街中では魔法使いに注意してくれるはずです。さあ、これで『とりあえず』より一歩進みました。