アイドルマスターSP

・ジャンルとしては、シミュレーションゲーム
 能力値や、環境の数値を意識して、効率化を図りつつ、ゴールをめざす。
 ゴールは、アイドルランクのトップ。そこまでに中間目標が存在する。
 達成すべきは、ファンの人数。ファンの人数によって、上位のランクに上がる。
 
 メタ的に見れば、ファンの人数とはスコアのようなもので、そのスコアを一定期間に目標達成するために効率化をはかること。その手探りが楽しい。
 また、慣れてくると、その中間目標達成期限までの余裕を知れば、コミュニケーションを見たり、オーディションばかり挑戦したり、多様な楽しみ方ができる。
・しかし、行動自体はシミュレートではなく、役割の抜粋のようなもの。
 能力アップに関わるミニゲーム。切り札的に使う「思い出」のポイントを稼ぐためのコミュニケーション。
 ミニゲームは比較的単純なルール。しかし、難易度としてはマニア向け。
 救済的に、「ミスをすると少し難易度が落ちる」というシューティングゲームのような配慮がある。
 コミュニケーションは、覚えておけば正解できる、3択。アイドルに対して、大人の判断、気遣いが必要と読める。
 3択で良いものを選ぶと、「思い出」が多くもらえる。
 
 戦略に正解はない。わりと「必要になったもの、足りない部分を補うように行動する」というだけでも進める。
・オーディションという名の戦闘
 RPGのボス戦闘にも似た、オーディションのゲーム。
 「ダンス」「ビジュアル」「ボーカル」の3つから選択し、アピールポイントを得る。これを10回3セット。
 それぞれのセットでは、1セット終わるごとにアピールポイントの1位〜3位までに入っていれば評価ポイントが得られる。曲のテンポに合わせて、タイミング良くボタンを選択すると、より多くの得点が入る。
 3つのアピールのどれもが3位まで入賞していれば評価ポイントが高く得られるので、どのアピールが狙い目で、どのアピールに多く配分すべきかを判断する必要がある。ボードゲームの競りにも似た駆け引き。
 
 「思い出」を使用すると、ルーレット表示。ルーレットで「god」を押せると、ボーナス的に得点できる。
 
 思い出自体には、何も詳細がないが、プレイヤーはその思い出の内容について想像し、妄想し、想いをはせることができる。人は、アイドルは、思い出からパワーをもらえる、ということか。
・オーディションで合格するとファン増加
 他の行動でも微量にファン増加するが、オーディションにかなわない。
 オーディションの難易度によって、増加数が違う。
 
 ともかくオーディションに勝てるようにする。難易度も自分で選べるので、無茶過ぎることはない。
・SPのストーリー
 前作までは、各アイドルとプロデューサーとの1対1の関係を表現したストーリーだったが、今回はアイドル同士の確執、友情、などが表現されている。
 
 ストーリーを楽しみたいと思っていた人にとっては朗報。
 しかし、プロデューサーであるプレイヤーが置いてきぼりで、アイドルたちだけで話が進行しているかのようで、残念でもある。
 また、以前は語られていないそのストーリーを想像して二次創作していた人にとっては、扱いが難しい問題となるだろう。「SPの話と違う」「SPよりこっちの方が好き」などなど指摘や支持があるだろう。
 このあたりは、「コンピュータゲームにおける物語と、主人公」の問題が出てきていること。押し付け気味なストーリーをあるがまま受け止めるしかないということと、プレイヤー=主人公という設定の矛盾が起きてしまう。
 「なぜそこで、怒る。なぜ話し合うことをしない?」
 「おい、いくらショックだからって、ぼーっとしないで追いかけろよ。彼女を引き止めないと危ないだろうが」
 「こんなウソにあっさりだまされるの?ご都合主義にもほどがある」
 などという気持ちが生じてしまうと、その物語がプレイヤーから離れてしまう。それならば、最初からムービーだけのアニメなどにすればよい。ゲームとは、選択するという権利があるもの。
 とはいえ、この問題が起きるかどうかはプレイヤー次第なのだ。